
WHISKY
PRODUCTION
製造理念
ジョセフ・チョウ
共同創業者
丹丘蒸留所では、東川町の美しい自然を体現するようなウイスキー造りを目指しています。私たちの製造理念は、伝統的な技術と革新的な方法を融合させること。環境との調和を大切にしながら、ユニークで高品質なウイスキーを生み出し、ここでしか造れない味わいを追求します。
1. エステル化:果実や花の香りの創造
概要: エステル化とは、カルボン酸とアルコールの反応により、香り成分となるエステルが生成されること。ウイスキーでは、この反応により、果実や花のようなフルーティーな香りが生まれます。
重要性: この反応は、ウイスキーの香りや味わいに豊かな表情を与え、とくにグラスに注いだ瞬間のトップノート(ヘッドノート)を際立たせます。
私たちのこだわり:
- クリアワートの生成: 伝統的なラウタータンの代わりにマッシュフィルターを使用します。濁りの少ない清澄なワート(麦汁)をつくることで、酵母の働きを活性化させ、エステル生成を向上させます。
- 二段階発酵: 最初の48時間は温度管理されたステンレスタンクで安定した発酵プロセスを実現。その後、木製の発酵槽に移し、樽の表面に自然に住みついている乳酸菌による、エステル化を促し、ウイスキーの味わいに奥深さを出します。
2. メイラード反応:深い複雑な風味の開発
概要: アミノ酸と還元糖の化学反応で、焙煎、キャラメル、ナッツのような風味を生み出します。
重要性: ウイスキーの深みと風味を作り出すために欠かせないプロセスです。
私たちのこだわり:
- 焙煎された麦芽の使用: メイラード反応の前駆物質(アミノ酸・糖)を増やすために、ブラウンローストモルトを導入。
- 直接電気加熱: メイラード反応をより引き起こすため、マッシュを直接加熱します。これによって、香ばしさや複雑な香味の形成を強化。
3. ヘッド&テールのスミアリング:蒸留液の精製精緻化
概要: 蒸留の最初の部分(ヘッド)と最後の部分(テール)をハートに少量混合して味に複雑さを加えます。
重要性: ウイスキーの風味に微妙なニュアンスを加え、不要な鋭い味を取り除きます。
4. 硫黄化合物の管理:ピュアさとボディ感のバランス
概要: 発酵や蒸留中に硫黄化合物の生成・除去を適切に管理する工程です。
重要性: 硫黄化合物由来の不快な香りを抑える上で極めて重要です。
当社のこだわり:
- 発酵の管理: ステンレス発酵槽で温度とpHを管理し、硫黄化合物の不要な生成を最小限に抑えます。
- 銅製ワッフル構造: 蒸留塔内に銅製のワッフル構造を組み込み、蒸気と銅の接触面積を最大化。不要な硫黄成分を効率よく除去しつつ、銅の溶出リスクも抑制します。
5. 樽と熟成:時間が育てる風味
概要: 熟成の過程で、ウイスキーが木と反応することで、香味成分を引き出し、不快な香りを除去し、新しい風味成分を生み出します。
重要性: ウイスキー本来の風味、色合い、なめらかさを形成するために不可欠な工程です。
当社のこだわり:
- 樽の選定: 理想的な風味の抽出を実現するために、原産地から最高品質の樽を厳選します。
- 温度変化を活用した熟成:熟成の最初の年に倉庫内の温度を意図的に変化させることで、ウイスキーと樽との相互作用を促進し、熟成を加速させます。



